デコボコ

僕のまわりには、さまざまな年代のさまざまなタイプの人間がいる。 男性でいうと、どういう男が人間として面白く、価値があるかといったら、こだわりのあ る男ということに尽きるだろう。 やはり、どこから見ても平均的な、突出したところのない人間はつまらない。 人間はデコボコがあるほうが面白い。デコボコがある人間とはどういうことかというと、 外見でも、中身でも、どこかが突出していたり、どこかに偏りがあったり、どこかその人な りのこだわりが見えるということである。 大人になったら、子どもの頃にバランスよく栄養をとりなさいというのとは違って、もう 好き嫌いがあってもいい。まわりに合わせる必要はないし、自分の顔というものがはっきり していて然るべき。大人の男だったら、自分はこれに絶対こだわるというものを持っている 人が、僕はかっこいいと思っている。

だから、大人になって、何か趣味を持っているということは、その人のデコボコさがはっ きり見えているということでもある。 たとえば、ある人は絵を描くのが趣味で、休日はいつも絵を描いているとしたら、なぜこ の人は絵に出会ったのだろうと想像をかきたてられる。どうしてこの人は絵にこだわるのだ ろうと、それはそれはねつけないほどに。絵を描くことへの強いこだわりが、その人の個性であり、デ コボコさであるから興味を引かれてしょうがないんだよ。 つまり、三○代や四○代にもなったら、あれもこれもと手を出さないところが、他の人と 違う部分なのである。釣りから、ゴルフから、楽器から、いろいろなものに手を出して「多 趣味なんだ」という人には、僕は興味がない。なぜなら、そういう人には、その人なりのこ だわりが見えないからだ。
